8.5. 科学のプロセス : すべての動物に性があるか
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数多くの植物は有性的および無性的手段の両方によって増殖できる ある種の動物も無性的に増殖できるのに、無性生殖のみを行う動物は非常に少数である
無性生殖が標準状態であるとみられる場合を調べるために、ハーバード大学の研究者あヒルガタワムシとよばれる動物の一群について研究してきた 観察
数百年にわたる観察にもかかわらず、これまでに誰もヒルガタワムシの雄あるいは有性生殖の証拠を見出していない しかし、ヒルガタワムシにはごくまれに有性個体がいるかもしれないことや、雄を外見上から識別できなかった可能性があった
疑問
この動物綱の全種が無性的手段のみで増殖するのか
仮説
ヒルガタワムシが有性生殖を欠くにも関わらず数百万年間実際に繁栄している
予測
1つの種が数百年間も性なしに生存しているならば、相同遺伝子のDNA配列における変化が独自に蓄積されるはずであり、2つの遺伝子型が時間とともにたがいに有意に分化しているはず
ヒルガタワムシがほとんどの生物よりも相同遺伝子対に多くの変異が認められるであろう
実験
ヒルガタワムシと他のワムシ類の特定の遺伝子配列を比較した 結果
相同遺伝子型の差異
有性生殖するワムシ類の間ではほとんど同一で、平均してわずかに0.5%だけ異なっていた
ヒルガタワムシでは3.5~54%まで異なっていた
これらのデータは、ヒルガタワムシがいかなる有性生殖もしないで数百万年間進化した強い証拠を与えた